離島単独磯歩き Day 1
中潮 (16.7)
満潮 08:04 203㎝
干潮 14:48 23㎝
エントリー 12:00
毎年訪れている離島がある。
去年に引き続き今年もある想いを胸に1人フェリーに飛び乗った
それは2年前、初めて納得できるロウニンアジをキャッチしたのは沖磯だった
島を後にしてから、芽生え大切にしてきた気持ち目標がある
"地磯からのロウニンアジ"
自分の足でポイントにアクセスし、しっかり自分の手でランディングする事
前回同様30キロを超えている事(自分の中で1つの目安にしているサイズ)
先ずはそれを、ここで成し遂げたかった
今になって感じている事は、この海に毎日出ているあの人に"認めてもらいたい"
と言う気持ちが少なからず本音だったと思う、、
目的の島が見えてきた
トビウオもしっかり接岸している様子だ
相変わらず命を削り果敢にダイブを繰り返す
そんな光景を眺めていると船は大きく旋回を始めた
ガコン!
100ℓのバックパックを背負い乗降口に向かうと
重たい音と共に分厚いドアが開かれた、、、
到着!
タラップを降りると久しぶりの顔が、、、
「よく来たな」
再び挑戦が始まった瞬間だった。
宿に向かい部屋に荷物を運び終えると、お母さんにお願いしおにぎりを作ってもらった
塩漬けにしたきゅうり
素朴なんだけど、こんな景色を見ながらのご飯は最高に美味い
慎重に岩場を下りヤギへ
準備し終えると大きく深呼吸
今までの経験と日頃からイメージしている全てを発揮できるように
1つ1つの動作を丁寧に。
それを自分に言い聞かせキャスト
まずは、小場所からチェックしていく
どこに投げても出てきそうな雰囲気だが、現実はそうじゃない、、
ボヤきながら歩き進めていく
1時間程かけ本命のポイントへ
潮は右から左、正面の岬辺りから沖へと払い出している
まずEBIを流してみる
この海に飲まれそうな程ロッドを通して力強い海を感じる
やっぱり凄い所だ、、、
一通り流したが、水面を破る魚はまだ出てこない
ここで、サーフェスにこだわらずアンダーウォーターを探ってみる
この流れでもしっかり波動の出せるルアーを潮上にキャスト、ドリフトさせながら広範囲にルアーを見せていく
正面、沖へ向かう払い出しに差し掛かりルアーの泳ぎが安定し始めた
そのまま引き続けルアーがうっすら見える距離に差し掛かった瞬間、、、
真後ろから真っ黒い何かが物凄いスピードで突っ込んできた
っと同時に、衝撃が伝わり暴力的な力にドラグ音が鳴り響く
相手は反転し沖の払い出しに乗り猛烈なスピードで下へ下へと泳いでいこうとする
でも、真っ向から向き合おうと決めてたのでドラグを一気に締め込んだ(ドラグ15キロ)
うぐ、きっつ、、、
ロッドは大きく綺麗に曲がり、ラインから伝わる首振りの大きさ重たさを全身で受ける
この瞬間を待ち続け何度イメージしてきた事だろう
雑な言葉だけど、"これだ"と声を出していた
そして、耐え続けていると徐々にこちら側に頭を向け始めた
ロッドをしっかり使い、頭の方向を変えさせないようプレッシャーを与えながらポンピングで確実に距離を縮めていく
ここまでは、日頃からのイメージだったけどこれからが本番。
瀬際での急な反転や突っ込みに対応できるようにロッドをしっかり立てて遊び幅をキープ、ドラグは一切出さないと決めさらに締め込んだ
もう迷いはない
距離が近づくにつれ体制を崩されそうになる程、相手の意志が伝わってくる
尾びれから繰り出される1蹴り1蹴りが半端ない、、、
こちらも強い意志をしっかり伝える事が大事と感じその手を緩める事はしなかった
すると、じわじわ深い青から姿を現し始めた
波が高いので岬を回り込んで右側でランディングをイメージし寄せてきていたが、やはり嫌がりガチャガチャした左目指して磯際を全力で泳ぎ始めた
こちらも腰を深く落として耐えようとしたが相手の動き出しの方が早くて、磯を引きずられ走らされる羽目に、、、汗
このままではラインが瀬に当たるー、、っと直前でベールを返しテンションを抜いた、自分も左側へ急いで移動
( 磯際、かなり負荷がかかった状態とっさにベールを返す事はホントに難しいとおもう。)
今回、ロッドの角度に遊びをしっかり作っていたので対応できた
あとは、常にイメージしておく事が大事だと思う
それにしても相手は、ホント嫌な所へ泳いでいく
ここで止めないと、本気で止めないと厳しい、、、
シンプルだけどノットに自信はあった
身体のコンディション、精神面も
中途半端なやり取りはしたくないから、ファーストラン以外ドラグを絶対出さないと決めてた
最後に全身、全体重をかけこちらの意志をぶつけてみる、、
すると、、、相手は反転し沖へと進路を変えてくれた
この瞬間を逃さず深く酸素を吸い込んだ
呼吸が浅く乱れていたから助かったー
今振り返っても、ここが1番大事なシーンだったと思う
ある程度落ち着かせた所で寄せにかかる
ここからはすんなりと寄ってきた
迷いのない意志が相手に伝わったからだと思う
水面に浮かせてからは波に気をつけながら慎重に岬の右側へと誘導していき決めてた場所でハンドランディングへ
波に乗せて上げられるサイズじゃなくかなり苦労した、、、15分波と格闘。
今回の教訓では、リリースを前提とするのであれば海から上げてはダメだと言う事。
磯際でタッチしたら、可能であれば海に入りペンチリリースを心がけようと思う
まぁ今回は波が高いから無理だった
言葉にならない、、
やっと、やっと地磯から会えた
前回はベイトで、今回スピニングにてキャッチ
これもまた1つの目標達成
必死に宿まで帰って来た、、すると、、、
「根に巻かれずよくやった」
「1人でよくやった」
リリース出来ず落ち込んだが、憧れの人からの言葉に確実に救われた気がした
地磯からという目標、そしてその人から認められた"瞬間"だったとおもう
「ここにはロマンがありますね!」
船長はうなずきながらタバコに火をつけた。
嬉しい気持ちや残念な気持ち、人生の目標や色んな事から解放された瞬間
またアカショウビンの声が聞こえてきた
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怒涛の初日を迎えた
14:00
曇りのち晴れ
外気ーーー
海水温 27.0℃
塩分濃度 34‰リーフ採取。
3時間後計測、GT32キロ