形あるものに命を見い出す、、
9月30日台風16号ミンドゥルが急接近しとてつもない波を送り出してきた、、、
(小潮23.1)
干潮 06:34 83㎝
満潮 14:58 158㎝
po 14:52
現地に到着しSポイントをチェックする
んー、、、ダブルオーバーのド・クローズ。
続いてSPポイントチェック、、、
だいぶ沖の方で、かるーく頭半〜ダブルの波が大口を開けマシーンブレイクを繰り返している‼︎
ウォー!!!!!!
しかもポイントは無人、農作業をする地元民さえ
誰一人いない状態、、、
なんで?こんなサプライズある?w
流石に、無人すぎて心配になるくらいだ、、
とりあえずFさんに連絡を入れて、海に入る事を伝え1人準備を進める
聞けば、前日は車を止めるスペースがない程プロが各地から集まり撮影をしていたとの事。
その為、ちょうど波のピークの折り返しの今日
プロの面々が撤収した直後に来たので貸切状態だったという予想が出来る。
そんなダブル近い状況でローカル、一般サーファーは波に乗る事が難しかった様だ、、
そしてネット社会の現在、盲点の時間帯が現れたという事だ!!
ラッキーメーン!!
ボードデータ 178×50×6.3
ミックファニング ネオカーボンモデル。
新素材のネオカーボンフィンは、ロングストランドカーボンと最高級のヨーロッパ樹脂を使用して成形
フレックスを備えた超軽量素材で、ターンから次のターンの際フレックス効果により小さな条件でもスピードを生み出してくれる
二期作目の若い苗たちを横目に畦道を進んでいく、、
緊張からだろうか?胸の高鳴りを抑えられない、、
気持ちで負けてしまいそうな弱い自分と会話するように、今からの波乗りを冷静にイメージしてみる
ここSPは本当に緊張する
過去に怪我人を何人見て来ただろう。
自身も過去、海底のリーフで腰を強打、、
ある時は、気付いたらフィンが綺麗に無くなってる、、、
そして今回、ポインに1人という事もあり失敗は許されない、、
初めて入った時は、余りにも怖過ぎてリーシュコードを2つ付けて海に入った時の事を思い出す、、w
そんな色んな思い出があり、1番リスペクトしているポイントだ、、。
客観的に見ると、自分を含めサーフィン友達は確実に頭のネジは巻き切れている状態だと思われる、、。
Sは相変わらずダブル近い波がとてつもない水量を引き連れブレイクしている。
SP到着、、
気軽に入れる状況じゃないので、しっかり波のピッチ、ブレイク、セットの入り方を観察する、
、、、。
とりあえず次から次へと波が来る状況、、
セットが来て落ち着く一瞬を狙ってダッシュで入るしかないデス、、
決死のダイブ!!
んー!流れがキツす過ぎて横に流されてる!!
あの右側の岩にどんとん吸い寄せられてる、、w
そんなんでもたついてると、ダブル近いセットが沖に見えどんどん山が近づいてきた、、、www
全力でパドルするも波は自分の少し先でブレイクし分厚いスープに巻き込まれ、、、た。
今だから笑えるけど、マジきつかった、、、。
何とかボードをホールドしたものの上も下も分からない、、
奇跡的に弾かれず1発目をなんとか耐え2発目、もぅ板がクラッシュする心配なんかしていられずボートを投げ出し海深く潜り懸命に逃げた。
リーシュが伸び切れない事を祈り様子を伺いながら浮上、、3発目も何とかやり過ごし危機を脱した、、、、。
200m程パドルアウトしただろうか、、
カレントはさほど無さそうなのだが、やたらと水が重たい、、
セットが来るたびにとてつもない水量が動いていると思われる
息も絶え絶えなんとかラインナップに到着、、
だが、そんなタイミングで山の様なウネリが遥か沖に見えた、、
どうやらこの海は少しの休憩も許してくれない様だ、、
今いる場所はまずい気がして逃げる様に更に沖に出ていく
ヤバい、、‼︎‼︎
陸から見ていたダブル?、、いや水面からだと訳がわからない程のウネリだ、、、
もう波というより、"地球"!!!
1本目、全力で回避、
2本目、ブレイクポイントを確認
そして3本目、テイクオフポジションに居ると思われる、、。
全力でパドルし決死のアタック、、
っとその数秒後、えげつないパワーの波に持ち上げられ自分のボードは走り始めた
ウネリは刻々と傾斜がキツくなり"波"へと姿を変えながら最後の命をこの瞬間に燃やしている
まだか!?まだなのか!?
なかなかテイクオフさせて貰えない、目線の先には常に岩が見えておりかなり気が散る、、
他は何の不安要素も無かった
このサーフボードも、ここ"sp"の為に削ってもらい乗り込んだ今ではとても信頼している
リーシュも新品、ワックスも入念にかけた
ただ、自分自身の気持ちが負けてた
もう殆ど垂直落下体制に入り始めている、
レールを波に食い込ませレイトテイクオフを決める事が出来たのなら
チューブの波は確約された様なものだった
そぅ、最後でチキった。
あと少しの所で完全に気持ちが恐怖に支配された。
行けなかった、、、。
台風のスピードは早く、この後ダブルオーバーのセットはおろか、波数共に瞬く間に海は静かになってしまった。
その後の波乗りは、パーリングやワイプアウト大きなミスは1回もなく
これぞ"SP"の波!チューブの波は続き自分が行くと決めた波は全てメイクした
2時間程だろうか、日は傾き黄昏時になると3人程入ってくる
話を聞くと、波難民で午前中から彷徨ってダメ元でここへ流れ着いたみたい
サイズはだいぶ下がったが、自分を含めこの波に乗れて幸せ者だ
自分の限界を知る事、またチャレンジする事
この場所は毎回圧倒的な存在感で自分自身と向き合わせてくれる
緊張の糸が切れた瞬間、ミサの顔が見たくなった。
海から上ろう、、、
季節は秋へと変わりつつある
ゆらめく波に瞳奪われながら畦道を進んだ